食後のたった10分のウォーキングで身体に良いことがある!適切なやり方も紹介

この記事は約6分で読み終わります。

健康のために手軽に取り入れられるウォーキングですが、「食後にしても良いのだろうか?」と感じている方もいるのではないでしょうか。食後に運動をすると良くないという声もあり、「ウォーキングもしてはいけないのでは?」と考える方も多いからです。 本記事では、食後にウォーキングをすることのメリットや、正しいウォーキングの方法についてご紹介します。

食後にウォーキングはしても良い?

結論からいうと、食後にウォーキングをしても問題はありません。ただし、食後に激しい運動を行うのは控えましょう。 

食後は食べ物を消化するために胃に血液を集めますが、食事の直後に運動を行うと筋肉に血液が集まってしまい、消化不良を招くおそれがあります。

ウォーキングについても、胃のなかの食べ物がある程度消化できてから行うのがおすすめです。食後は30分~1時間は空けておくと、胃腸への負担を減らすことができるでしょう。 

食後にウォーキングをする際は、消化しやすい食事を意識するのもポイントです。脂肪の多い肉など脂質の高い食べ物は消化に時間がかかるため、ウォーキング前に食べるのは控えましょう。

調理油には、一般的な油よりも素早く消化吸収されてエネルギーになりやすいといわれている中鎖脂肪酸を豊富に含んでいるものを取り入れてみることもひとつです。ココナッツオイルやパームオイルには中鎖脂肪酸が豊富なので、そうした調味油を選ぶと良いでしょう。 

食後にウォーキングをするメリット

食後にウォーキングをすることにはメリットもあります。どのようなメリットがあるのかみていきましょう。

カロリー消費やスタイル維持ができる

食後にウォーキングを行うと、食事で摂ったカロリーの消費につながります。食べたものがエネルギーとして体内に蓄えられるのを防ぐことができるのです。 

食後は豊富な栄養素が血液中に備わっている状態です。体を動かさなければ血液中の栄養素は、必要な時まで温存しようと貯蓄します。すべての栄養素を貯蓄してしまうと、体重の増加につながります。

体型が気になる方は、ウォーキングをして体を動かしましょう。痩せたい方はもちろん、食事を楽しみつつ体型維持を目指したい方も、食後の運動はおすすめです。 

身体の糖化を防ぐことができる

食後にウォーキングをすると、血糖値を下げる効果が期待でき、身体の糖化の予防にもつながります。

「糖化」と聞いてもピンとこない方は、焼き菓子をイメージすると理解しやすいです。焼き菓子などを作ったときに表面がコゲることがありますが、この反応を糖化と呼びます。

お菓子の生地に含まれる卵や牛乳などのタンパク質が、砂糖と結びつくことで糖化、つまりコゲが生じるのです。

身体の糖化についても「身体のコゲ」ともいわれており、老化と密接に関係があると考えられています。身体の糖化の場合、食事などから摂った余分な糖が体内のタンパク質と結びつき、老化物質を生成してしまうと考えられています。

糖化が起きてコラーゲン線維などの肌に弾力を与える組織がダメージを受ければ、たるみやシワなどが生じ、髪で糖化が生じると髪のツヤやハリが失われてしまうでしょう。また、骨で糖化が生じると、骨粗しょう症につながるおそれもあります。

特に食後1時間以内は血糖値が上昇して糖化しやすいため、ウォーキングなどで身体を動かすことは糖化を防ぐのにおすすめです。 

食後の眠気や疲れ予防ができる

食事のあとに急に眠くなったり、疲れを感じたりすることはありませんか?

食後の眠気や疲れは血糖値スパイクによるものと考えられています。血糖値スパイクとは、食後に血糖値が急激に上昇し、その後急降下する症状のことです。

特に麺類や丼物など炭水化物(糖質)中心の食事は血糖値が急激に上がりやすく、血糖値スパイクが生じやすくなるといわれています。血糖値スパイクを防ぐには、食事の内容に気を付けるとともに、食後に身体を動かすのが良いとされています。

食後に運動することで、血糖値の上昇を緩やかにすることが期待できます。そのため、食後のウォーキングを習慣づけると、血糖値スパイクの発生を予防し、食後の眠気や疲れの予防にもつながるといえるでしょう。 

糖尿病の運動療法にもなる

食事の約1時間後は血糖値が最も高くなるといわれており、タイミングを見計らって運動療法をすることが推奨されています。食後の血糖値を抑えられ、血糖コントロールに役立ちます。

一方で、血糖値が最も低い食前のタイミングにウォーキングなどの運動をすると、低血糖になるおそれがあります。特にインスリンの治療を受けていたり血糖降下剤を服用していたりする方は、低血糖になりやすいため食前のウォーキングは避けましょう。 

食後の正しいウォーキング方法

健康やスタイル維持のためにウォーキングを取り入れる場合、どんな点に気を付けると良いのでしょうか。

食後の正しいウォーキング方法をご紹介します。

先述したとおり、食後すぐに身体を動かすと消化不良を招くおそれがあるため、胃のなかの食べ物がある程度消化できたタイミングでウォーキングを行うのがおすすめです。

食後30分~1時間の間にスタートすると良いでしょう。ウォーキングの時間は、10分~15分程度が目安です。

健康やダイエットを目的とすると、どうしても力が入ってしまいがちですが、無理に速度を上げたり、走ったりする必要はありません。

気軽に近所を散歩するような気持ちで、ゆっくりと歩きましょう。楽に会話ができる、息切れしないくらいのペースで歩くのがポイントです。 

食後のウォーキングが難しい場合はどうすれば良い?

ウォーキングは毎食後に行うのが理想ですが、毎日行うのは難しい方も多いでしょう。忙しいスケジュールのなか無理して毎食後にやろうとすると、途中で挫折してしまうことが考えられます。ある程度柔軟にスケジュールを組むのがおすすめです。

以下の頻度で行ってみてはいかがでしょうか。

・週末だけ行う

平日仕事をしている方は、週末を使ってウォーキングを行うと良いでしょう。週中にできていない分を補う意味でも、週末は朝・昼・晩と1日3回を目標にウォーキングを行います。

ウォーキングに加えて食事の量にも気をつけると、より効果が期待できるでしょう。

・通勤時間をウォーキングに充てる  

自宅を少し早めに出て、ひと駅歩いたり、職場が比較的近所であれば徒歩で通勤したりすることで、ウォーキング時間を補うことができます。  

わざわざウォーキングを行う時間を確保するのが難しく思える方でも、実践しやすい方法です。

・自宅でエクササイズバイクを使って身体を動かす

ウォーキングを行えない場合は、自宅でエクササイズバイクを使って身体を動かすこともできます。時間帯や天候にかかわりなく行えるのも、エクササイズバイクのメリットです。 

いずれにしても、ウォーキングは継続すること、また習慣化することが大切です。

「毎食後やらなければならない」「20分以上歩かなければならない」と気負いすぎると、継続は難しくなります。

まずは無理のない計画を立て、習慣化するのを目指しましょう。慣れてきたら、ウォーキングの日を1日増やしてみる、少し歩く距離を伸ばしてみるなどすると良いでしょう。 

まとめ

食後すぐのウォーキングはおすすめできませんが、ある程度消化が進んだ食後30分~1時間の間にウォーキングを行うことにはさまざまなメリットがあります。

毎食後行うのが難しくても、1週間のスケジュールをチェックして、できるタイミングを探してみましょう。継続することが大事なので、無理のない予定を立てるようおすすめします。