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老化を招く主な原因
気を付けていても、いつの間にかシワやシミができていたということはありますよね。そのため、「どうして老化が起きるのだろう?」と疑問に思っている方もいるのではないでしょうか。
老化を招く主な原因は、活性酸素と糖化にあるといわれています。それぞれの原因がどのように老化につながるのかみていきましょう。
活性酸素
活性酸素とは、呼吸をすることで体内に取り込まれた大気中の酸素のうち、一部が活性化された状態になることです。
活性酸素には、免疫機能や細胞伝達物質といった有益な働きがある一方で、過剰に生産されると人体にとって害となることもあります。例えば、動脈硬化やがん、免疫機能の低下などです。老化も、活性酸素の過剰生産が原因で引き起こされます。
活性酸素は、日常のさまざまな要因によって引き起こされます。例えば、紫外線、飲酒、喫煙、大気汚染、ストレスなどです。
また、激しい運動をすると、より多くの酸素を体内に取り込むため、活性酸素の増加につながりやすいといわれています。運動をした後はリフレッシュできて気持ちが良いものですが、老化という観点からいうと、やり過ぎは良くありません。
糖化
糖化とは、体内で糖がタンパク質や脂質と結びつくことで、糖分が血液中に余分にあるときに起きるものです。糖化が起きると老化促進物質であるAGEを作り出してしまうため、老化が進んでしまいます。
実は、人間の体内以外でも糖化は起きています。例えば、パウンドケーキなどのお菓子を作るときに生地をオーブンで焼くと、こんがりとしたきつね色になりますが、この反応は糖化によるものです。生地に含まれる砂糖が卵などのタンパク質と結びつくことで変性が生じ、きつね色に変化するのです。
ケーキなどの食べ物で生じる糖化は、香ばしさなどが感じられる良い変化ですが、わたし達の体についてはそうとはいえません。
糖化によって肌に弾力を与えるコラーゲン繊維が劣化すると、肌は弾力を失い、たるみなどの原因となります。また、糖化によって生み出されたAGEが肌の細胞に溜まってしまうと、シミやくすみが生じやすくなり、肌は透明感を失ってしまうのです。
加えて、髪のタンパク質に糖化が起きると、髪もダメージを受け、ハリやツヤが失われます。その結果、実年齢よりも老けたイメージになってしまうのです。
先述したとおり、血液中に糖分が余分にあるときに糖化は起きます。甘い食べ物や飲み物、炭水化物など糖分が多いものの摂り過ぎは、体内に糖化が起きやすくなる原因のひとつです。
つまり、習慣的に甘いものをたくさん取り入れている方は、それだけ老化が進みやすいといえるでしょう。
アンチエイジングに役立つ栄養素と食べ物
活性酸素や糖化の影響から肌や髪を守り、いつまでも若々しくいるためには、食べ物に気を付ける必要があります。
アンチエイジングに役立つ栄養素と食べ物を紹介しますので、日々の食事に取り入れてみましょう。
【タンパク質】肉、魚、卵、牛乳、大豆類
肌に弾力を与えるコラーゲンは、タンパク質から作られています。そのため、食べ物から摂取するタンパク質の量が不足すると、肌に必要なコラーゲンも減少してしまうことになるのです。
コラーゲン不足は、肌の弾力やハリの低下の原因となるため、アンチエイジングを目指すならタンパク質をしっかりと摂取することが欠かせません。
タンパク質はさまざまな食べ物に含まれていますが、アミノ酸スコアが高いものを選ぶのがおすすめです。アミノ酸スコアとは、食べ物に含まれるアミノ酸とタンパク質の量のバランスを数値で示したもので、数値が高いほどバランスが良いことになります。
タンパク質を含む食ベ物のなかでも、肉、魚、卵、牛乳、大豆類はアミノ酸スコアが高く、単体でもバランス良くタンパク質を摂取できる食材です。
ただし、肉のみなど特定の食べ物からタンパク質を過剰に摂取すると、脂肪を摂り過ぎる可能性があります。決まった食材のみ食べるのではなく、バランス良く食べることが大切です。
【ビタミンC】柑橘類、野菜
ビタミンCは、コラーゲンの生成に必要なビタミンです。また、抗酸化作用を備えており、活性酸素を除去する働きをもっています。活性酸素はシミやくすみなどの原因でもあるため、アンチエイジングとしておすすめの栄養素です。
ビタミンCはオレンジなどの柑橘類、トマトやブロッコリーなどの野菜に含まれています。ハリや弾力のある肌を目指すなら、ビタミンCの摂取も欠かせません。
【ビタミンE】ナッツ類、卵、野菜
ビタミンEは抗酸化作用のあるビタミンです。つまり、活性酸素の増加によるダメージから細胞を守る作用があります。
ビタミンEを豊富に含む食べ物として代表的なのは、卵、アーモンドなどのナッツ類、ほうれん草、ブロッコリーなどです。これらの食材を意識的に摂取して、肌の酸化を防ぎましょう。
【ポリフェノール】ブドウ、緑茶、ココア
ポリフェノールには酸化を防ぐ作用があり、活性酸素の働きを抑えるのに良い物質です。特にポリフェノールの一種であるカロチノイドには、強い抗酸化作用があることがわかっています。
ポリフェノールが含まれている食べ物や飲み物には、ブドウ、緑茶、ココアなどがあります。カロチノイドが含まれている代表的な食べ物は、ブロッコリー、ニンジン、トマトなどです。
これらポリフェノールが豊富な食材を意識的に摂取することも、アンチエイジングに役立ちます。
アンチエイジングに大切な生活習慣のポイント
食べ物以外にも、アンチエイジングのためにできることはあります。アンチエイジングをする上で、大切な生活習慣のポイントを紹介します。
食事は野菜から食べる
血糖値が急激に上がると、糖化が進行しやすいです。食事の際は、できるだけ血糖値の上昇を抑えるような食事の仕方を心がけましょう。
血糖値の上昇を抑えるには、サラダやお浸しなどの野菜から食べるのがおすすめです。その後、肉や魚を食べ、最後にごはんを食べましょう。
炭水化物が含まれたごはんを最後に食べることで、血糖値の急上昇を抑えることができます。同じ食事内容でも、ごはんから先に食べてしまうと、血糖値の上昇につながるので注意してください。
お酒やタバコを控える
毎日の晩酌を楽しんでいる方もいることでしょう。しかし、アンチエイジングの視点からは、お酒は控えるようおすすめします。
お酒を飲むと、肝臓がアルコールを分解するときに活性酸素が発生し、老化を進行させる要因となるからです。特に、お酒が弱い方や飲む量が多い方は注意しましょう。
加えて、タバコの煙には活性酸素や活性酸素の発生を促す有害物質が豊富に含まれていることがわかっています。老化を防ぐには、タバコも控えるようにしましょう。
紫外線対策をする
肌老化の原因のひとつとして挙げられるのが紫外線です。特にUV-Aは波長が長く、肌の奥の真皮にまで達し、コラーゲンやエラスチンといった肌にハリや弾力を与える組織にもダメージを与えることがわかっています。
紫外線を浴び続けると、UV-Aの影響で肌はハリや弾力が失われ、しわなどが生じやすくなるでしょう。
肌老化を防ぐには、紫外線対策をすることは欠かせません。「いつも日焼け止めを塗って外出しているから大丈夫」という方でも、日々の生活のなかでうっかりと紫外線を浴びている可能性があります。
例えば、ベランダや室内の場合「少しの間だから……」と、つい無防備になってしまっていることはありませんか?
ベランダで洗濯物を干すといった短時間のことでも、紫外線を浴びています。また、UV-Aは窓ガラスを通過して肌にまで達するため、室内だから安心とはいえません。
いつでもしっかりと紫外線対策を心がけ、肌老化を防ぎましょう。
まとめ
体内での過剰な活性酸素の生産、また糖化は肌や髪の老化を引き起こす原因となります。年齢を重ねるにつれて、少しずつ肌や髪に変化が生じることは避けられませんが、少しの努力で老化を遅らせることは可能です。
本記事を参考に、アンチエイジングに役立つ食べ物を意識して食べ、日々の生活習慣に気を付けてみてはいかがでしょうか。