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冷え性の原因は2種類
冷え性改善に良い食べ物を紹介する前に、まず知っておきたいのが「なぜ冷え性になるのか?」という点です。
冷え性の原因についてみていきましょう。
筋肉の減少
筋肉量が少ないと、体内で作れる熱も少なくなり、体が冷えやすくなります。
基礎代謝のうち、筋肉が占める割合は約4割です。つまり、筋肉量が多ければ多いほど作れる熱が多くなり、筋肉量が少ないとそれだけ生み出せる熱が少なくなるということです。
冷え性が女性に多い理由は、男性よりも筋肉量が少ないことにあります。筋肉量が少ない女性は、熱が生み出されにくく体が冷えやすい傾向にあります。
筋肉量が減少する原因としてあげられるのが、運動不足です。運動習慣がなく筋肉が使われないと、筋肉はどんどん痩せていきます。
加えて、筋肉量は加齢によっても減少します。高齢者に体が冷えやすいと感じる方が多い原因のひとつは、筋肉量の減少によるものといえるでしょう。
若い女性によくみられるのは、行き過ぎたダイエットによる栄養不足です。筋肉の材料となるタンパク質が不足すると、筋肉量が減少してしまい、冷え性になりやすくなります。
自律神経の乱れ
自律神経の乱れも冷えにつながります。自律神経のバランスが乱れると、血液の流れが滞ってしまい、全身に熱が送られなくなるからです。
自律神経が乱れる原因としてあげられるのは、ストレスや不規則な生活、過労などです。仕事が忙しくて睡眠時間が十分に確保できない場合や、昼夜逆転の生活を送っている場合は、自律神経の乱れを引き起こすことがあります。
冷え性改善におすすめの食べ物
冷え性を改善するには、体を温める作用や血行を促進する効果が期待できる食べ物を摂取するのがおすすめです。
以下は冷え性に良いといわれている食べ物なので、毎日の食事に取り入れてみましょう。
生姜
生姜を加熱すると、生姜に多く含まれている辛味成分ジンゲロールの一部が、ショウガオールという成分に変化します。ショウガオールは体を内側から温める作用があるため、冷え対策に良いとされています。
冷え性で悩んでいる方は、刻んだ生姜を温かいスープや煮込み料理に加えてみましょう。ショウガオールの作用で、体の芯からぽかぽかと温まり、冷えの症状の緩和につながります。
かぼちゃ
かぼちゃに含まれているビタミンEには血行を改善する作用があり、冷え性の軽減に良いといわれています。
血液の流れが滞ると、手足の末端部分まで血液が届かなくなることから、手足が冷えてしまいます。ビタミンEによって血行が改善されると、血液が手足の末端部分まで行き渡りやすくなります。
かぼちゃのビタミンEの含有量は、野菜のなかでもトップクラスとされているので、日々の食事に積極的に取り入れましょう。
とうがらし
とうがらしには、カプサイシンという辛味成分が含まれています。この辛味成分には血流を改善し、体を温める効果があるとされています。
特に冷え性の方は、手足など末端部分の血流が滞りやすいです。カプサイシンには末梢血管の血流を改善する作用があるため、冷え性の改善につながります。
とうがらしは、スープや炒めものなどさまざまな料理に使いやすいので、買い置きしておくと良いでしょう。
ただし、一度に大量に摂取すると、胃腸に負担となることもあります。冷え性に良いからといって、一度に食べ過ぎるのは避けましょう。
ナツメ
ナツメには、体を温めるほか、筋肉や神経の緊張を和らげる作用があるといわれています。
神経の緊張状態が続くと、自律神経のバランスが乱れやすくなり、その結果、冷え性などの体の不調につながるものです。
ナツメには、神経の緊張を緩和し、精神を安定させる作用があるため、ストレスが軽減され、リラックスしやすくなります。そのため、自律神経の乱れによる冷えの解消効果が期待できると考えられているのです。
日本ではあまり身近なイメージがないナツメですが、甘味があることからジャムやお菓子などによく使用されています。ナツメを使った果実酒もあるので、探してみると良いでしょう。
また、乾燥ナツメであれば、そのままおやつとして食べることができます。
冷え性改善に役立つ食生活のポイント
冷え性の改善を目指すなら、以下のポイントを意識した食生活を送るようおすすめします。
筋肉量が少ない人はタンパク質を積極的に摂る
筋肉量が少ない人は、筋肉の材料となるタンパク質を積極的に摂取しましょう。
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、18歳以上の成人における1日当たりの摂取推奨量は、18~75歳以上において男性で60~65g、女性で50gとなっています。
タンパク質は、肉や魚、豆類に豊富に含まれています。肉のみ、豆類のみというように、どれかひとつから摂取するのではなく、それぞれの食材を食事でバランス良く食べるのがおすすめです。
朝食は毎日摂る
冷え性の方は、必ず朝食を摂ることを意識しましょう。朝食を抜くと、体温を上げる機能が働かず、体が温まりません。
特に就寝中は体温が下がり、起床時は1日のなかで体温がもっとも低くなっています。そのため、朝食を摂って体温を上げることが大切です。
朝は時間がないので朝食は簡単に済ませがちになりますが、栄養バランスを考えて用意しましょう。パンとコーヒーだけ、ごはんだけではなく、タンパク質や野菜などもプラスしましょう。
まとめ
冷え性だと、足が冷えてなかなか寝付けなかったり、免疫力が低下して風邪などを引きやすくなったりします。体質だから仕方ないと諦めるのではなく、できるだけ体を温める工夫を行いましょう。
冷え性改善に良いとされている食べ物を意識して摂取することや、運動をして筋肉量を上げることなどは、日常生活で簡単に取り入れられる習慣です。生活習慣を見直して冷え性の緩和を目指しましょう。