目次
ダイエット中は水分不足に要注意
水分不足の状態が続くと、便秘の誘因になりかねません。直腸に送られる便は、水分が多くを占めています。水分により便が柔らかくなって大腸を移動しやすくしています。
また、水分が体温調整にも関わったり、血液となって全身に栄養を送ったりと、さまざまな働きをします。水分は生命の維持にとって重要なものであるからこそ、不足しないよう適度に補給することが大切です。ダイエット中の人は、とくに以下を注意しましょう
・食事制限に注意・・・体の水分は、飲み物だけでなく食べ物からも補給しています。ダイエットのために食事制限をすると、食べ物からの水分摂取量が減ってしまいます。
・運動後に注意・・・ダイエット中は適度に体を動かす人もいるのではないでしょうか。運動時は体温が上昇して、普段よりも汗をかくため、体の水分が失われます。
ダイエット中に摂りたいおすすめの飲み物
ダイエット中は水分補給が大切だと説明しましたが、どのような飲み物で水分を摂るのが良いのでしょうか。
ダイエット中のおすすめ飲み物は、以下のとおりです。
・水、白湯
・緑茶
・トマトジュース
・お酢ドリンク
水・白湯
ダイエット中におすすめの飲み物として、水や白湯が挙げられます。水は手軽に摂れるため、日常の水分補給に向いています。白湯とは、適度に冷ましたお湯のことです。40~70度が適温だとされています。
水や白湯は水分補給として良いだけでなく、胃腸を刺激して働きを促すことから、便秘解消にもおすすめです。
特に白湯は一度沸騰しているため、余分な物質がなく、不純物を洗い流してくれる効果があるといわれています。また、体を内側から温めることから代謝を促進し、老廃物の排出にも期待されています。
白湯は、水を沸騰させてから適温まで冷ましましょう。「少し熱い」と感じるまで冷ますのがコツです。
お湯を沸かす時間がないときは、マグカップに水を注ぎ、1分30秒から3分ほど電子レンジで温めて作る方法もあります。
緑茶
緑茶には「茶カテキン」というポリフェノールの一種が多く含まれています。
茶カテキンは、最新の研究によって、脂肪の分解と消費に働く酵素を活性化させ、脂肪の代謝を高めたり、脂肪を消費して体脂肪を減らしたりする効果が期待できることが分かりました。そのためダイエット中の飲み物として、緑茶は適切と言えます。
トマトジュース
トマトジュースには「リコピン」という成分が多く含まれています。リコピンとは、カロテノイドの一種であり、トマトなどに多く含まれる赤色の色素のことです。
リコピンを摂取すると、血流を良くする効果が期待できます。リコピンがもつ抗酸化作用には、悪玉コレステロールの酸化を抑え、血栓の生成を抑制する働きがあるといわれています。血流改善によって代謝が活発になれば、効率良く脂肪などが消費され、太りにくい体づくりにつながります。
なお、リコピンは熱に強い性質をもつことから、トマトジュースなどの加熱加工された製品にも多く含まれています。リコピンは加熱や加工された状態のほうが、生の状態よりも体内に吸収されやすいことから、そのまま食べるよりトマトジュースのような加工品を摂るほうが効率的です。
ただし、トマトジュースには塩分が多く含まれるものもあります。飲み過ぎには注意しましょう。
お酢ドリンク
お酢は内臓脂肪を減少させることが科学的に証明されています。ある研究結果(※1)では、肥満に悩む方を対象に毎日大さじ1杯(15ml)を目安に摂取してもらったところ、内臓脂肪が減少しただけでなく、体重やBMI、血中中性脂肪及び腹囲を下げることがわかっています。
また、毎日大さじ一杯(15ml)を継続的に摂ることで、高めの血圧が低下することも研究結果(※2)で報告されています。
そのほか、急激な血糖値の上昇が繰り返されると糖尿病のリスクが大きくなると言われますが、食事と一緒に大さじ一杯(15ml)のお酢を摂ることで、血糖値の上昇を緩やかにしてくれる効果がある(※3)といわれています。
※1~3「食酢のやさしいガイドブック」
※1 出典:「vinegar intake reduces bodyweight, body fat mass,and serum triglyceride levels in obese Japanese subjects」(Bioscience,Biotechnology,and Biochemistry 73(8):1837-1843 2009)
※2 出典:「食酢配合飲料の正常高値血圧者及び軽度高血圧者に対する降圧効果」<健康:栄養食品研究6(1):51-68 2003)
※3 出典:「健常な女性における食酢の食後血糖上昇抑制効果」(日本臨床栄養学会報誌27:321-325 2006)
ダイエット中に避けたい飲み物
ダイエット中に水分補給が大切だからといって、どんな飲み物でも良いわけではありません。糖質の多い飲み物やお酒は、ダイエット中は避けましょう。それぞれダイエット中には避けるべき理由を解説します。
糖質を多く含む飲み物
ダイエット中に避けたい飲み物のひとつが、糖質を多く含んだ飲み物です。
市販のジュースには、20~30gほどのブドウ糖が含まれているものがあります。血液中に含まれるブドウ糖は4~5g程度なので、およそ5~6倍も含まれているのです。
糖質の多い飲み物を飲むと、大量の糖質が急激に体に吸収されます。ダイエットの妨げになってしまうので、できるだけ摂らないようにしましょう。
市販のジュースだけでなく、健康に良さそうな野菜ジュースなどにも糖質が多く含まれていることがあります。野菜ジュースを選ぶ際は糖質量も確認しておきましょう。
お酒
お酒も、ダイエット中は避けたい飲み物です。アルコールを摂取すると、肝臓の酵素によって「アセトアルデヒド」という物質に分解されます。
アセトアルデヒドには毒性があり、脂肪の分解を妨げ、中性脂肪が肝臓に蓄積するのを促進します。最終的には体外に排出されるものの、お酒を大量に摂取することで、大量にアセトアルデヒドが生成され、脂肪肝などの原因になってしまいます。
お酒の中でも、特に糖質が多く高カロリーな醸造酒は注意が必要です。醸造酒よりも糖質の少ない蒸留酒であっても、アルコールが先に体のエネルギーとして消費されてしまい、脂肪の消費が妨げられてしまいます。
中性脂肪の蓄積をさせないためにも、脂肪の消費を妨げないためにも、ダイエット中はお酒を控えましょう。
ダイエット中はこまめな水分摂取を心掛けよう
ダイエット中はどのような飲み物を選んで水分補給すると良いのか、水分補給に適していない飲み物は何か、説明してきました。糖質の多い飲み物やお酒を避けて水分摂取するのはもちろん、摂取方法にはポイントがあります。
水分摂取は、一度に大量に行わず、こまめに行いましょう。一度に多くを摂ろうとしても、うまく体に吸収されません。少しずつ分けて飲むことが大切です。
特に、運動中や運動前後、入浴の前後、入眠前後は水分が不足しやすいです。のどの渇きを感じたときにはすでに脱水が始まっているので、水分が不足しやすいタイミングを意識して、渇きを感じないうちにこまめに摂取するようにしましょう。
まとめ
ダイエット中は、食事を制限したり、運動を取り入れたりすることから、水分が不足しやすい傾向があります。水分不足は便秘などにもつながりますので、ダイエット中でもしっかり水分補給をするようにしましょう。
ただし、水分補給はどのような飲み物でも良いわけではありません。糖質の多い飲み物やお酒などの飲み物は、かえってダイエット効果を妨げてしまうことがあります。
ダイエット中なら、水・白湯、緑茶、トマトジュース、お酢ドリンクなど、便秘解消や脂肪減少を助けてくれるようなダイエットをサポートする飲み物が適しています。自分に合った飲み物を選んでダイエットを成功させましょう。