疲労回復におすすめ!疲れに効く食べ物・飲み物
仕事が忙しくて生活が乱れていたり、夏の暑さが厳しかったりすると、いつの間にか体に疲れが溜まってしまいます。疲労の蓄積から体が不調を訴える前に、次の食材を意識して献立に取り入れましょう。
【ビタミンB1】豚肉 、大豆 、うなぎの蒲焼き、玄米 、きのこ など
肉体疲労や眼精疲労などの症状を感じたときは、ビタミンB1を含む、次の食ベ物がおすすめ です。
・豚肉
・大豆
・うなぎの蒲焼き
・玄米
・きのこ など
ビタミンB1は水溶性ビタミンの1種で、ブドウ糖を体内でエネルギーに変換する際に欠かせない栄養素 です。
ビタミンB1が不足すると、体のなかで十分にエネルギーを産生できなくなります。その結果、疲れを感じやすくなるほか、食欲不振やだるさといった体の不調が現れます。さらに、悪化するとビタミンB1欠乏症の症状として脚気やウェルニッケ・コルサコフ症候群(眼球の運動麻痺、意識障害など中枢神経系に影響が出る障害)が引き起こされることもあるため、日頃から積極的に上記の食材を献立に取り入れましょう。
とくに、普段の食生活が糖質中心の方、仕事やスポーツでよく体を動かす方は、エネルギーの産生が盛んです。体がより多くのビタミンB1を必要とするので、不足しないように意識して献立を考えてください。
出典:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020 年版)」
【ビタミンC】パプリカ、ブロッコリー、レモン、いちごなど
ビタミンCには、疲労を引き起こす活性酸素を抑制する働き、つまり抗酸化作用があることがわかっています。疲労回復や、疲れを予防するために積極的に摂取しましょう。 ビタミンCは、以下の食べ物に豊富に含まれています。
・パプリカ
・ブロッコリー
・レモン
・いちご など
ビタミンCは、コラーゲンの合成に必要な栄養素でもあります。コラーゲンは肌にハリを与えるだけでなく、細胞と細胞をつなげる重要な役割があり、皮膚や粘膜の健康維持にも欠かせません。
ビタミンCが不足してコラーゲンの合成が困難になると、貧血や全身の倦怠感などの症状が起きやすくなるので注意しましょう。
ビタミンCは、熱に弱く水に溶けやすい性質があります。調理する際は、できるだけ水にさらさない、加熱し過ぎないといったことを意識しましょう。
【ブドウ糖】穀類、ぶどう、バナナ、はちみつなど
体のエネルギー源となるブドウ糖を含む食べ物も、疲れたときにおすすめです。ブドウ糖は、以下の食材に豊富に含まれています。
・穀類
・ぶどう
・バナナ
・アンズ など
ブドウ糖は脳の唯一のエネルギー源であるため、ブドウ糖が不足すると集中力が保ちにくくなります。脳の活性化や疲労回復にも、ブドウ糖を摂取することは大切です。
特に、脳は睡眠中であっても休むことがありません。起床時はブドウ糖が不足した状態と考えられるため、朝食をきちんと摂ることでブドウ糖を補給でき、生き生きと活動できます。
ブドウ糖は必要な栄養素であるものの、摂り過ぎないように注意しましょう。甘いものを摂り過ぎると、血糖値の急激な乱れにつながり、眠気や集中力の低下などを招くことがあります。
【鉄分】レバー、あさり、いわし、小松菜など
鉄分を含む次の食材も、体が疲れたときに積極的に摂りたい食べ物です。
・レバー
・あさり
・いわし
・小松菜
・ほうれん草 など
体内の鉄分の半数以上は、血液中のヘモグロビンの構成成分として酸素を運搬する役割を担っています。
鉄分が不足してしまうとヘモグロビンの合成を上手くできなくなるうえ、赤血球自体も小さくなってしまいます。その結果、酸素の供給が十分にできなくなって「鉄欠乏性貧血」を引き起こすほか、息切れや疲労などを感じやすくなるので、鉄分を含む食材は日頃から意識して献立に取り入れましょう。
食べ物のなかに含まれる鉄分には、吸収率が高い「ヘム鉄」と、吸収率が低い「非ヘム鉄」の2種類があります。
ヘム鉄は肉や魚といった動物性食品に多く含まれています。たんぱく質と結合しており、そのままの形で腸のなかで吸収されます。単体でも吸収されやすいため 、疲れを感じるときは積極的にヘム鉄を含む動物性食品を献立に活用しましょう。
一方、無機鉄の非ヘム鉄は還元後に吸収され、体内を循環するまでに時間がかかります。非ヘム鉄は、小松菜やほうれん草、枝豆といった 植物性の食品に多く含まれています。たんぱく質やビタミンCと一緒に摂ると体への吸収率が高まるので、献立づくりを工夫しましょう。
出典:厚生労働省「鉄 | e-ヘルスネット」
【クエン酸】梅干し、レモン、オレンジなど
酸っぱい食べ物も、疲れたときにおすすめです。酸味の正体は「クエン酸」と呼ばれる物質で、次の食材に多く含まれています。
・梅干し
・レモン
・オレンジ など
クエン酸は体内でエネルギーを生み出す代謝経路、「クエン酸回路」に関与 する物質です。また、先ほど紹介した鉄分をはじめ、カルシウムや亜鉛といったミネラルを吸収しやすくするためのキレート剤として働きます。
疲労回復のほか、血流改善や新陳代謝の促進、美肌作用も期待できるため、疲れたときは積極的に酸味のある食材を献立に取り入れましょう。
酸っぱい食べ物は、胃液の分泌や胃の働きを活性化させる効果も期待できます。また、食欲増進の助けにもなるので、疲れて食事が取れないときにおすすめです。
出典:農林水産省「特集2 香酸かんきつ(1)」
【カプサイシン】キムチ、唐辛子など
唐辛子を使った食材や調味料は、夏バテや疲労の蓄積で食欲が落ちてしまったときにおすすめです。唐辛子に含まれる辛み成分は「カプサイシン」と呼ばれる物質で、次の食べ物から摂取できます。
・キムチ
・カレー
・ラー油 など
唐辛子の適度な辛みが効いた食べ物は胃を刺激し、食欲を増進させて、食事がすすみます。
寒暖差などに体がついていかなくなると食欲不振や胃腸の不調が起こりやすくなります。適度な辛みを料理にプラスして、食欲増進を図りましょう。
出典:農林水産省「カプサイシンに関する情報」
【お酢】
お酢も疲労回復のお手伝いをしてくれます。人は飲んだり食べたりすることでエネルギーを補給しますが、お酢と一緒に食べることでエネルギー源を効率良く補充することができ、疲労回復に役立ちます。
お酢を飲みやすくするのに炭酸水で割ったり、牛乳で割ったりなど、飲み方も幅が広いのでお好みの方法で取り入れてみてください。
コンビニでも買える!疲労回復におすすめのメニュー
疲労回復のためにしっかり食事を摂りたくても、疲れて料理をする気力もないときもあるでしょう。疲れたときには無理をせず、手軽に栄養を摂るのが正解です。
ここでは、コンビニで手軽に買えるおすすめの疲労回復メニューを紹介します。
おにぎり(梅・鮭)
疲れたときに手軽に食事を摂るなら、具が梅や鮭のおにぎりがおすすめです。
梅には、疲労回復に役立つクエン酸が含まれています。ほど良い酸味が唾液の分泌を促し、食欲増進の助けにもなる ため、疲れているときもしっかり栄養とエネルギーの補給ができるでしょう。
鮭には、「アスタキサンチン」と呼ばれる抗酸化物質が含まれています。抗酸化物質は、活性酸素による酸化を抑えたり、細菌による傷害を防いだりする働きがあるとされている ので、積極的に摂りましょう。
出典:厚生労働省「抗酸化物質」
ナッツ類
間食にもなるナッツ類も、コンビニで手に入る疲労回復に良い食材です。
アーモンド やカシューナッツ、ピスタチオにはビタミンB1が豊富 に含まれていて、体内のエネルギー産生をサポートします。 小分けパックなら持ち運びがしやすく日持ちするため、自宅や職場にストックして活用しましょう。
カットフルーツ
コンビニで売られているカットフルーツも、疲れたときにおすすめです。何より切る手間をかけず、すぐに食べられます。
フルーツは糖質、ビタミン、ミネラルとも豊富で、疲労回復や脳の活性化を促す働きが期待 できます。
とくに、オレンジやグレープフルーツ、夏みかんといった爽やかな柑橘系にはクエン酸が含まれているので、疲れたときにおすすめ です。
普段の食事で気をつけたいポイント
疲れをため込まないためには、食事の仕方にも気をつける必要があります。普段の食生活のポイントもみていきましょう。
規則正しい食生活をする
健康的な体を作るには、摂取エネルギーと消費エネルギーのバランスにも気をつけなければなりません。
食事の量が多いと摂取エネルギーが過剰になり、肥満を招くリスクがあります。逆に、食事の量が不足していると、体内に蓄積されたエネルギーを使うため、飢餓状態に陥ります。健康のためにも、摂取エネルギーと消費エネルギーのバランスを意識することが大切です。
食事は1日3食、毎日決まった時間に摂ることを習慣化しましょう。そうすると エネルギー摂取の偏りがでにくく、適正体重の維持や生活リズムを整えるのに役立ちます。
お酒を飲みすぎないようにする
お酒を飲むと体内でアルコールを分解する際にビタミンB1が消費されるため、飲み過ぎはNGです。エネルギー産生に必要なビタミンB1が不足すると、体が疲れやすくなります。
お酒は「百薬の長」と言われていても、適量を心がけましょう。厚生労働省では、節度ある適度な飲酒を、1日に平均純アルコールで約20g程度としています。
次の換算表を参考に、ほど良い飲酒を心がけましょう。
お 酒の種類 | アルコール度数 | 純アルコール量 |
ビール(中瓶1本500ml) | 5% | 20g |
清酒(1合180ml) | 15% | 22g |
ウイスキー・ブランデー(ダブル60ml) | 43% | 20g |
焼酎(35度)(1合180ml) | 35% | 50g |
ワイン(1杯120ml) | 12% | 12g |
出典:厚生労働省「アルコール」
まとめ
疲れが溜まっていると感じたら、ゆっくり休息を取る必要があります。それと同時に、食事の内容や普段の生活も見直しましょう。
疲れているときは疲労の回復に役立つ食べ物を意識して献立に取り入れて、早期回復を目指す必要があります。日頃から生活を整えて、疲れに強い体を作ってください。