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健康な食事に大切なのは「バランス良く食べること」
毎日、健康的な食事ができているでしょうか。なかには、朝食を抜いて2食で済ませているという人もいるかもしれません。
食事の回数を減らすと、1日に必要な栄養素をしっかり摂ることが難しくなります。
まずは、バランスの良い食事を1日3食とることが大切です。ここでは、健康に良い食事の基本とバランスの良い食事について取り上げます。
健康に良い食事の基本
健康に良い食事について、誤った知識で毎日の食生活を送っている人もいるのではないでしょうか。
よくある間違いのひとつが、「野菜をたくさんとれば良い」というものです。野菜も大事ですが、野菜だけで必要な栄養は確保できません。
また、「炭水化物(糖質)はできるだけ摂取しない方が良い」と考える人もいますが、炭水化物を極度に控えるのも間違いです。
炭水化物(糖質)は、脳や体を動かすのに必要なエネルギー源です。極端に減らすとエネルギーが不足し、疲れやすくなったり、思考力が低下したりするおそれがあるので注意しましょう。
さらに、健康的な食事のバロメーターとしてカロリーに気を付けて食事をする人もいますが、1日に必要なカロリーを超えなければ良いというものではありません。
このような誤った知識で栄養が偏ってしまうと健康な食事とは遠ざかってしまいます。健康的な体でいるためには、なによりも栄養バランスがとれた食事をすることが大切です。
栄養バランスの良い食事とは?
栄養バランスのとれた食事については、厚生労働省と農林水産省が共同で策定した食事バランスガイドが参考になります。
食事バランスガイドによると、1日の食事の量は、多い順に「主食」「副菜」「主菜」「牛乳、乳製品」「果実」です。
主食は、ごはんやパンなどのことです。副菜は野菜や海藻などをメインにした料理で、主菜は肉や魚、大豆製品をメインにした料理をいいます。
食事バランスガイドにおいて用いられているのがSV(サービング)という単位です。これは、食事1回あたりの標準的な量を表します。
1日の食事量でSVがもっとも多いのが主食です。成人の場合、それぞれの料理区分の目安量や料理例は以下のとおりです。
料理区分 | 1日分のSV | 料理例 |
主食 (ごはん、パン、麺) | 5~7つ | 1つ分=ごはん小盛り1杯、食パン1枚 1.5つ分=ごはん中盛り1杯 2つ分=うどん1杯、もりそば1杯 |
副菜 (野菜、きのこ、いも、海藻料理) | 5~6つ | 1つ分=野菜サラダ、具だくさんのみそ汁、 ひじきの煮物、きのこソテー 2つ分=野菜炒め、野菜の煮物 |
主菜(肉、魚、卵、大豆料理) | 3~5つ | 1つ分=目玉焼き、納豆 2つ分=魚の天ぷら、焼き魚 3つ分=鶏肉の唐揚げ、豚肉のしょうが焼き |
牛乳・乳製品 | 2つ | 1つ分=牛乳コップ半分、ヨーグルト1パック 2つ分=牛乳瓶1本分 |
果物 | 2つ | 1つ分=みかん1個、りんご半分 |
これらのエネルギー量は、2200~2400キロカロリーに相当します。
出典:「食事バランスガイド(基本編)」(厚生労働省)
毎日の食事に取り入れたい健康に良い食べ物
先述したように、健康に良い食事のためにはバランスよく食べることが重要です。バランスの良い食事を心がけた上で、毎日の食事に取り入れたい健康に良い食べ物を6つ紹介します。
玄米・雑穀米
玄米は、ぬかや胚芽が残ったお米です。通常の白米と比べて、ビタミンやミネラル、食物繊維が多く含まれています。
雑穀米は、玄米、あわ、キビ、もち麦などを白米に混ぜた機能性米のひとつで、ミネラルや食物繊維のほか、ポリフェノールが豊富です。
毎日の主食には、このような玄米や雑穀米などを取り入れると、必要な栄養素を摂取しやすくなります。食べ方に迷ったら、白米に混ぜて食べるのもおすすめです。
魚
魚に含まれる栄養素として注目されているのが、オメガ3系脂肪酸の代表でもあるDHAです。現代の人に不足している成分のひとつで、サラサラとした性質から、柔軟な細胞組織を形成するのに役立ちます。
DHAは、特にサバやイワシなどの青魚に多く含まれています。DHAを適度に摂取するなら、これらの魚を積極的に食事に取り入れると良いでしょう。
また、魚をよく食べることで糖尿病のリスクが軽減したという研究結果も発表されています。これは、魚を食べることによって、インスリンの抵抗性と血糖コントロールの改善が期待できるためです。
さらに、魚には良質な脂肪のほか、タンパク質やビタミン、ミネラルなどの栄養も含まれています。健康的な食事のためにも、魚をうまく活用すると良いでしょう 。
野菜
野菜には、食物繊維やビタミン、ミネラルが豊富に含まれます。ビタミンやミネラルは食事内容によっては不足しやすくなるため、積極的に取り入れるようにしましょう。
食物繊維が多い野菜は、よく噛む必要があることから満腹感を得やすく、食べ過ぎてしまいがちな人にもおすすめです。
さらに、食物繊維は消化吸収に時間がかかることから、食物繊維を多く含む野菜を主食より先に食べることで、血糖値の急な上昇を緩やかにしてくれます。糖が急激に吸収されることを防ぐだけでなく、余分な糖質や脂質の吸収を抑制して排出させることから、食事の順番を意識しながら、積極的に摂るようにすると良いでしょう。
乳製品
栄養バランスガイドにも出てくる、ヨーグルト、牛乳、チーズなどの乳製品も毎日取り入れるように心がけましょう。
ヨーグルト
牛乳が原料であるヨーグルトには、豊富なカルシウムが含まれています。プレーンヨーグルトの場合、100g中に含まれるカルシウム量は120mgです。
カルシウムの1日の推奨摂取量は、男性なら18~29歳で800㎎、30~74歳で750㎎、75歳以上で700㎎、女性なら18~74歳で650㎎、75歳以上で600㎎です。
しかしながらカルシウムの平均的な摂取量は500mg程度で、不足している人が多い傾向にあります。カルシウムは骨や歯を作る栄養素で、不足すると骨粗しょう症などの原因になりますのでしっかり摂取するように心がけましょう。
牛乳
ヨーグルトの原料になっている牛乳にも、カルシウムが豊富に含まれます。牛乳100gあたりのカルシウムの量は約110mgです。コップ1杯(200g)摂取すれば、成人の摂取推奨量の3分の1から4分の1がとれる計算になります。
また、牛乳のタンパク質には、9種類の必須アミノ酸を含んだ20種類のアミノ酸が含まれており、良質なタンパク質の摂取にも役立つでしょう。
さらに、牛乳はビタミンA(レチノール)やビタミンB2も豊富です。ビタミンAは細胞の老化の原因となる活性酸素のはたらきを抑え、ビタミンB2は細胞の再生や代謝を促してくれます。
チーズ
チーズは、体内で合成できない必須アミノ酸がバランス良く含まれているため、良質なたんぱく質を摂取できます。その中でも、必須アミノ酸のひとつであるBCAAは筋肉の合成や疲労感を緩和する効果があるといわれています。さらに、ミネラル分で不足しがちな亜鉛もチーズは豊富です。
このように栄養価が高いだけでなく、チーズには体内で燃焼されやすい脂肪酸が豊富に含まれています。ほかの脂肪酸と比べて体の脂肪になりにくいほか、低糖質のためおやつにもおすすめです。
果物
栄養バランスガイドでは、果物も必要な食事としてあげられています。ここでは、なかでもおすすめのりんごとバナナについて見ていきましょう。
りんご
りんごは、カリウムや食物繊維が豊富な果物です。
カリウムはナトリウムの再吸収を抑制して排出するはたらきがあるため、血圧の低下が期待できます。食物繊維は、腸内環境の改善による整腸効果が期待できる成分です。
このほか、食物繊維には血糖値上昇を抑えるはたらきや血中コレステロールを抑える効果が期待できます。糖尿病予防にもつながりますので、積極的に取り入れてみても良いでしょう。
さらに、りんごに含まれるビタミンCは抗酸化作用をもち、コラーゲンの生成に欠かせない栄養素であるため、老化防止にもおすすめです。
バナナ
バナナは、食物繊維やオリゴ糖、マグネシウムなどが豊富な果物です。
バナナ可食部には、100gあたり0.1gの水溶性食物繊維と、1.0gの不溶性食物繊維が含まれます。このような食物繊維は、便を出しやすくしたり、便のかさを増やしたりしてくれるため便秘改善が期待できます。
バナナに含まれるオリゴ糖は、分解されずに大腸まで届く成分です。腸内で善玉菌を増やし、腸内環境を良くしてくれます。
マグネシウムもバナナに多く含まれる成分で、人の体に必要なミネラルです。血圧を下げるはたらきがあるほか、酵素の活性化にも重要な役割をもちます。
お酢
毎日の健康にはお酢を取り入れるのも良いでしょう。
まず、お酢は研究(※1)により内臓脂肪の減少に役立つことがわかっています。体重増加で悩んでいる人やBMIが適正値を超えて悩んでいる人などにもおすすめです。
さらに、継続的にお酢をとることで血圧を低下させること(※2)や、血糖値の上昇を緩やかにすること(※3)もわかってきています。
内臓脂肪の減少、血圧低下、血糖値の急激な上昇抑制を期待するなら、毎日15mlは継続して摂るようにしましょう。
※1~3「食酢のやさしいガイドブック」
※1 出典:「vinegar intake reduces bodyweight, body fat mass,and serum triglyceride levels in obese Japanese subjects」(Bioscience,Biotechnology,and Biochemistry 73(8):1837-1843 2009)
※2 出典:「食酢配合飲料の正常高値血圧者及び軽度高血圧者に対する降圧効果」<健康:栄養食品研究6(1):51-68 2003)
※3 出典:「健常な女性における食酢の食後血糖上昇抑制効果」(日本臨床栄養学会報誌27:321-325 2006)
まとめ
健康でいるためには、日々の食生活の見直しが必要です。食事バランスガイドを参考に、健康に良い食べ物を積極的にとるようにしましょう。
「これさえ食べたら良い」という食べ物はありません。健康に良い食生活のためには、バランスの良い食事を心がけることが大切です。