目次
疲れが溜まりやすい方の体質改善
疲れが溜まりやすい方向けに、食事・睡眠で体質改善する方法をご紹介します。
食事
食事では、栄養バランスを考え、糖質の摂りすぎに気をつけましょう。
栄養バランスを整える
健康な状態を維持するには、栄養バランスの整った食事が基本です。
エネルギーのもとになる糖質(米・パン・麺類など)、体の調子を整えるもとになるビタミンとミネラル(野菜・果物・きのこなど)、タンパク質(肉、魚、卵、豆類、乳製品など)の栄養バランスを意識した食事を摂りましょう。
また、疲労回復のためにはビタミンB1、ビタミンB2、カルシウム、鉄を意識して摂取することをおすすめします。
それぞれが多く含まれる食材は以下のとおりです。
栄養素 | 豊富に含まれる食材 |
ビタミンB1 | 豚肉、うなぎ、豆腐 |
ビタミンB2 | 肉の肝臓全般、卵、納豆、アーモンド |
カルシウム | 乳製品、豆製品、小魚 |
鉄 | 豚・鶏レバー、ほうれん草、小松菜 |
糖質の摂りすぎに注意
糖質とは、三大栄養素(炭水化物、タンパク質、脂質)のうちの炭水化物に当てはまります。生きていくうえで必要なエネルギー源となる栄養素です。
疲れたときに甘いものを食べてストレス発散している方も多いのではないでしょうか?
しかし、糖質を過剰に摂り続けると、食後に集中力や判断力が低下する、午後に眠気を感じるなどの症状が現れることがあります。倦怠感や疲労感が続いているように感じてしまい、逆効果となってしまうのです。
また、糖質は一度に大量に摂取すると血糖値が跳ね上がり、血管に負担がかかります。糖質は、摂取量に気を付けたり、ほかの食材と組み合わせて摂ったりなど、摂り方を工夫することが大切です。
過度に制限する必要はありませんが、一食あたりの糖質量は20〜40g、一日の糖質量は70~130gを目安としましょう。
甘い物を食べるときは、穀物やいも類、豆類などの血糖値の上昇が比較的緩やかになる食材を選ぶことをおすすめします。
なお、食酢には食後の血糖値上昇を緩やかにする効果があると言われています。そのため、日々の食事にお酢を活用するのも良いでしょう。
睡眠
疲れが溜まりやすい方は、しっかり睡眠をとるだけでなく、睡眠の質を上げることも意識しましょう。
深い眠り(ノンレム睡眠)が長く得られると、体内の修復や回復を促す成長ホルモンの分泌が促され、脳の休息や自律神経の調整ができるようになります。精神的なストレスの解消にも役立つため、睡眠は非常に重要なのです。
睡眠の質を高める方法は、以下が挙げられます。
・寝る3時間前には夕食を済ませる
・睡眠前に温かい飲み物(白湯、カモミールティーなど)を飲む
・38℃ほどのぬるいお湯に浸かってリラックスする
・身体に合った寝具を選ぶ
普段、良質な睡眠を摂れていないと感じる方は、ぜひ試してみてください。
痩せにくい方の体質改善
肥満の主な原因は、食べすぎと運動不足です。ここでは、痩せやすい体になるための体質改善の方法を解説いたします。
食事
体重が気になる方は、まず普段の食事を見直しましょう。
食物繊維を積極的に摂取する
脂質や糖質の吸収を抑える食物繊維を積極的に摂ることがおすすめです。野菜や豆類、キノコ類、海藻類などは、食物繊維が多く含まれており、低カロリーで腹もちするので、内臓脂肪を増やさない最適の食品といえます。スープやサラダなどで積極的に取り入れましょう。
よく噛んでゆっくり食べる
特別な運動をしなくても、1日に消費されるエネルギーの1割以上は食後に消費されると言われています。この消費エネルギーを「食事誘発性体熱産生」といいますが、咀嚼回数が多いほどエネルギーを多く消費するという研究結果があります。ゆっくりとよく噛んで食べ、エネルギーを多く消費し、太りにくい体質を目指しましょう。
早めの夕食を心がける
不規則な食事のタイミングは基礎代謝を乱し、脂肪の蓄積を促してしまうおそれがあります。夜食は控え、早めの夕食を心がけることが大切です。どうしても夕食の時間が遅くなる場合は、脂質の多いおかずや肉などの主菜は少なめに、野菜を使った副菜を多めにして、カロリーや脂肪の摂りすぎを防ぎましょう。
運動
脂肪を落としたい方は、脂肪燃焼を促進する有酸素運動を取り入れるのが効果的です。運動の強度は、少しきついと感じる「中強度」を意識しましょう。年齢によっても異なりますが、一般的に心拍数が「138-(年齢÷2)」となる運動が良いと言われています。
また、運動をする時間は夕方がおすすめです。朝よりも運動能力が高い時間帯なので、より効果を感じられるでしょう。夜の体温が上がり、睡眠の質を高めることにもつながるため、翌朝までにしっかりと疲労回復をすることができます。
筋トレなどの無酸素運動は脂肪燃焼には向きませんが、基礎代謝を高める効果が期待できます。アドレナリンや成長ホルモンなどの脂肪分解を促すホルモンが分泌されやすくなるため、その後の有酸素運動の効果をより高めてくれると言われています。
そのため、軽いウォーキングやジョギングなどをする前に15分程度の筋トレをすることもおすすめです。
手足がよく冷える方の体質改善
冷え性にはさまざまな原因があります。冷え性改善のための食事や生活の中でできる工夫についてご紹介します。
食事
手足の冷えで悩んでいる方は、体を温める食べ物・飲み物を摂り、血行を促しましょう。
体を温める食べ物としてよく知られているのが生姜です。生の生姜は発汗を促し、干した生姜は体を芯から温めてくれるはたらきがあります。効果をより高めてくれるシナモンを加えたジンジャーシナモンティーがおすすめですので、ぜひ試してみてください。
また、良質のタンパク質は熱エネルギーとなり、神経機能を保持します。肉や魚の動物性タンパク質と、豆類などの植物性タンパク質を食事でバランスよく摂ることを心がけましょう。タンパク質は筋肉量を増やすのにも役立つため、加齢で筋肉の衰えを感じ始めている方は特に意識したいポイントです。
そのほか、以下の栄養素も冷えの改善に役立ちます。
・ビタミンB1
ビタミンB1は糖代謝を促進し、からだを動かすエネルギーを産生します。豚肉、大豆、卵などを積極的に摂取しましょう。
・ビタミンC
ビタミンCは貧血予防になる鉄分の吸収を促進し、毛細血管の機能を保持するはたらきがあります。ビタミンCが多く含まれる食材は、かんきつ類や緑黄色野菜などです。
・ビタミンE
ビタミンEは末梢の血管を拡張させて血液の流れを良くします。アーモンド、落花生、ヘーゼルナッツなどのナッツ類をはじめ、ベニバナの種子を原料とする「サフラワー油」やマーガリンといった植物性油脂にも多く含まれます。
生活の中での工夫
冷え性の方は最も心臓から遠い足先から冷えやすい特徴があります。
仕事中で座りっぱなしの体勢でいることが多い場合は、1時間に一度は立って歩いたり、つま先とかかとを交互に上げ下げしたりして、足の血流を促しましょう。
また、シャワーで済まさず、湯船に浸かるようにすると全身の血流を促すことができます。お湯の中で、ふくらはぎを軽くマッサージすると、より一層冷え性改善が期待できますよ。
冷え性の方はエアコンとの付き合い方も意識することが大切です。
エアコンで体が冷えると、体温を逃がさないように交感神経がはたらいて血管を収縮させてしまいます。エアコンの設定温度は、25~28℃を心がけましょう。オフィスなど自分で設定できない場合は、ひざ掛けや腹巻などを活用して、冷えを防ぐようにしてください。
便秘に悩んでいる方の体質改善
便秘に悩んでいる方へ向けて、食事で摂取すべきものや生活習慣で気をつけるポイントを解説いたします。
食事
食物繊維は便のかさを増やし、腸の運動を促進するため、便秘の改善に役立ちます。
食物繊維には水溶性食物繊維・不溶性食物繊維の2種類がありますが、それぞれはたらきが異なります。
不溶性食物繊維は穀類、野菜、豆類、きのこ類、果物などに多く含まれる成分です。便のかさを増やすとともに腸を刺激してぜん動運動を盛んにさせ、便通を促進させる効果が期待できます。
水溶性食物繊維は便を柔らかくしてくれるはたらきがあり、わかめやめかぶ、こんにゃく、オクラやモロヘイヤなどの野菜などに多く含まれています。
便秘解消のためには、どちらもバランス良く摂ることが大切です。
生活習慣
便秘解消のためには、こまめな水分補給を心がけ、1日1.5リットル以上の水を摂取することがおすすめです。便秘とあわせて体が冷えやすい方は、常温の水を飲むと良いでしょう。
また、生活のリズムを整えると自律神経が整い、腸の働きに良い影響を与えます。毎日0時までには就寝し、朝食は必ず食べて、決まった時間にトイレに行く習慣をつけましょう。便意がなくてもトイレに行くようにして、落ち着いて排便できる時間をつくることが大切です。
そのほか、適度な運動をすることによって腸の活動を促すことができます。ウォーキング、ジョギング、水泳など、できる範囲で取り入れてみましょう。運動を続けるのはハードルが高いという場合は、お腹をマッサージしたり、温めたりするだけでも効果が期待できるため、ぜひ試してみてください。
まとめ
体質改善は疲れや肥満、冷え性、便秘の改善のために必要です。
「痩せない」「手足がよく冷える」「便秘が辛い」などと感じる方は、食事や運動、睡眠、入浴を見直してみましょう。無理せず、始めやすいことから取り入れてみてください。
日頃の生活習慣を意識することで、体質改善につながりますよ。